書(小説)

2010年2月10日 (水)

[書] 電脳コイル (6)

電脳コイル(6)/宮村優子 [トクマ・ノベルズEdge]
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いよいよ折り返し地点かな?≪電脳メガネ≫による仮想現実を通して成長していく小学生達を描いたジュブナイル。
大人になりきれない大人達と、めいいっぱい背伸びして仮想現実と向き合う子供達、それぞれの心理描写が相変わらず濃くてぐいぐい引き込まれるんだなー。


さて本巻ではいよいよヤサコ、ハラケンがそれぞれのルートで核心に近付いていくと共に、内面に抱えるトラウマを徐々に解消していきます。 どちらも鍵になるのは「仲間」って事で、この辺りの展開が丁寧に描写されてて上手い。 なんつってもダイチやフミエが格好良すぎなんだよ!

あと化けの皮を剥がれたタマコおばちゃん(年齢不詳)が哀れw
イサコさんぱねぇっす!


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2009年11月 7日 (土)

電脳コイル (2) - (5)

面白い!
SFな世界設定や、原作がNHKでやってたアニメだとか聞くと色々バイアスが掛かっちゃうんですが、読み物としてすごく完成度の高い小説だ。

電脳コイル (2)/宮村優子 [TOKUMA NOVELS Edge]
電脳コイル (3)/宮村優子 [TOKUMA NOVELS Edge]
電脳コイル (4)/宮村優子 [TOKUMA NOVELS Edge]
電脳コイル (5)/宮村優子 [TOKUMA NOVELS Edge]
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電脳コイル|磯光雄監督作品
電脳コイル (1): Neutral Air

以前に1巻だけ読んでいて、そん時は優秀なジュブナイルやなあと思ったもんだけど、現在5巻まで一気に読了!

小学生が主役ではありますが、彼ら彼女らの大人びた言動や所作は「そうそう、そんな感じだよな!」と納得できるリアルさがあるわー。 そうやな、大人が思ってるよりも彼らはクールだし、今をシリアスに考えてるものだよね。

たまらず吹き出した。なんでだろう、おかしくてたまらない。今日のあたしはやっぱりおかしい。見ると橋本文恵も笑っている。ふたりで笑って笑って顔を空に向けると、最近にはめずらしく星がまたたいていた。

そして、こうした登場人物らの心の機微を見事に表現している文章がまた素晴らしいのです。この人、とてもキレイな文章を書く。

今のところ9巻まで出てるけど、間違いなく購入予定。



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2009年10月 7日 (水)

化物語 (上)(下)

西尾作品を読むのは戯言シリーズ以来だなー。

化物語(上)/西尾維新 [講談社BOX]
化物語(下)/西尾維新 [講談社BOX]
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高校生の主人公が次々と遭遇する怪異、その中心である女の子達との交流を描いたショートストーリー集です。 戯言シリーズが「異能力者達による闘争劇」だとすると、こちらは「変人達による漫才劇」ってくらいライトなノリかなヽ(´ー`)ノ


「で、阿良々木先輩。私は何をすればいい?」
「ああ、そうだったな。楽しい雑談に興じている場合じゃなかった」
「脱げばいいのか?」
「だからなんでお前はそんな脱ぎたがりなんだよ!」
「無論、脱がせてくれても構わないが」
「受動態か能動態かの話をしてんじゃねえ! お前は僕の中学一年生の頃の妄想が具現化した姿なのか!?」
「私は明るいエロを追求する者だ」
「お前の主義主張なんかどうでもいいよ……」
「ではこう言い換えよう。私は明るいエロスを追求する妖精だ」
「なんてことだ! エロをエロス、者を妖精と言い換えただけで、なんだか崇高なことを言われているような気が……してこない!」


流石は趣味で書いただけあってストーリーとしての深みは全くないけど、至るところに散りばめられたボケ→ツッコミの多段階コンボにはすげぇと唸らざるを得ないな!マニアックすぎるwww

小説を読みながらこんなに笑ったのは久しぶり。


上巻は「ひたぎクラブ」と「まよいマイマイ」「するがモンキー」で、下巻は「なでこスネーク」「つばさキャット」を収録。 特にえろっ子スポーツ少女ヽ(´ー`)ノ神原駿河が出る「するがモンキー」以降の面白さは半端ねえ! こいつダメ人間過ぎるwww




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2009年10月 3日 (土)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

わっはっは、薄っぺらな話だなヽ(´ー`)ノ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ [電撃文庫]
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成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗で雑誌の読モまでこなす完璧超人の妹が、実はすごいオタクで―――なんてのに巻き込まれる兄の話です。

ライトノベルだと西尾維新の一連の作品とか、凉宮さんのアレとか「半分の月がのぼる空」あたりは読んだことのある私ですが、いやあ過去に類を見ないほど薄っぺらい話だった。
だが確かに面白いわ!妹のオタトークに振り回される主人公が悲惨すぎるwww

前半戦はかなり笑いを抑えるのに苦労したってのもあるんだけど、電車の中でこれを読むってなんて拷問? おれマゾ? ねぇマゾなの? と自問してしまったヽ(´ー`)ノ 続きは買わないと思う。

完全にオタ向け。
一般人は火傷するぜ?




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2009年9月30日 (水)

革命戦争回顧録

これは意外に思われるかもしれませんが、私はキューバの革命闘争についてはフィデロ・カストロ(いわゆるカストロ議長)の事は割と知ってても、エルネスト・ゲバラの事は「一緒に闘ってたヒト」くらいしか知らなかったんです。

だからなんで彼が若者のイコンとして祭り上げられ、あまつさえTシャツのデザイン(笑)にまでなるに至ったのか、不思議だったんだ。


革命戦争回顧録/チェ・ゲバラ [中公文庫]
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そんな訳で本著は、映画「チェ 28歳の革命」の原作です!
華々しい革命のイメージとは異なり、ここに記されているのは裏切り、飢餓や病気、厳しい戦闘、革命の本質を理解しない同胞との軋轢など、ゲバラ本人の生々しい苦悩の日々だ。

これが20代の頃だってんだから驚く。驚くべきイデオロギーの発露だ。日本人の我々には想像しにくいが、それ程までに軍事政権下の人々の暮らしは酷いモノだったのだろう。

なお、上で挙げた疑問の回答としてはこんな感じかな。

  • すげえイケメン
  • 39歳で処刑されるまで、各国の解放の為に戦い続けた
  • 理想を高く持ち、己の信じる正義を貫き通した
  • 早い段階から政策のビジョンを持ち、革命後の政府で実現した

なるほど、驚くほどに高潔で一本気な人となりだったのかな。なにより短命だったのがアイドル化に拍車をかけているんでしょうね!
イケメンだし!ヽ(´ー`)ノ


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なんだこのイケメン...




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2009年9月24日 (木)

アンブロークン アロー

フムン。

アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風/神林長平 [早川書房]
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異種知性体・ジャムと人間の30年以上に渡る戦争を描いたシリーズ3作目!
続編なので、「戦闘妖精・雪風」「グッドラック 戦闘妖精雪風」を先にオススメします。

このシリーズ読むの何年ぶりよ!?ってくらい長く停止していた作品ですが、ようやく続編リリースだ。 相変わらず繊細だがキレ味のある言葉使い、そしてケレン味あふれるキャラ間のやりとりは全く衰えてません。

というかむしろやりすぎなくらいで、ついに「人間とは何か」「リアルとは何か」と言ったテーマが哲学の領域に達していますヽ(´ー`)ノ もう好き放題ですね先生ヽ(´ー`)ノ

前作までにたっぷり詰め込まれた空戦の醍醐味があまりなくて残念。
でも終盤にかけてとんでもなくアツい展開がありシビレタよー!


そして10年ぶりの新刊なのに ま だ お わ ら な い 。


なお、今回最大のオモシロポイントは、雪風の擬人化であろう!
戦闘知性体・雪風が「疑似人格を作り出して」本作の主人公達にコンタクトを取ろうとする展開があるのですが、これがツボに入って最高でした。 マジメなファンなら見ただけで正気を失う、もしくは自我が崩壊する戦闘妖精少女 たすけて!メイヴちゃんを思い出すに違いないヽ(´ー`)ノ

 




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2008年12月16日 (火)

ナイチンゲールの沈黙 上・下

いやー、前作「チーム・バチスタの栄光」よりも全然好きですよこれ!

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫]
ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫]
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正直なところ、読者がいちばん楽しみにしているであろう「白鳥圭輔」こそが、前作における私の最大の障壁だったんです。ちょっとキャラクターがクドすぎて受け付けなかったんだよ。

ところが今回、この白鳥に対抗すべく投入された新キャラ「加納達也」がかなりいい仕事してまして、キャラごとのバランスがとてもいい配分なんです!
うんうん、俺これくらいのバランスが一番読みやすいかなー。


謎解き要素はほぼ皆無。誰でも真相にたどり着けるでしょう。
ストーリーがややリアリティさを欠いてるとは思うけど、それでも圧倒的な文章力!ぐいぐい読ませるね!


個人的には、今回の核でもある伝説の歌姫「水落冴子」がいい!
もう、うん、なんだ、セリフ回しがいちいちカッコええねん! 痺れるわー!

Neutral Air - チーム・バチスタの栄光(上)
Neutral Air - チーム・バチスタの栄光(下)




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2008年11月 4日 (火)

ラヴクラフト全集 別巻下

ラブクラフト全集のトリを務める上下巻、最後の下巻!

もうなんだ、凄く感慨深いなぁ......記念すべき第1巻が発行されてから、実に30年ですよ! 思えば数多の作品の中で「傑作」と呼べるものなんて片手で数えられるほどですが、マニアにはその雰囲気であるとか様式美がタマラナイんだよね!

ラヴクラフト全集 別巻下 (9) (創元推理文庫)
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じゃあ上巻に引続き解説ッ!

  • 石の男
    妻を寝取られそうになった夫が石化する液体を作ったんだけど、返り討ちにあって関係者全員石化ヽ(´ー`)ノあぼーん

  • 羽のある死神
    強力な毒を伝染するハエを使って知人を殺したんだけど、知人がハエに魂を取り込まれて襲ってくるという良作。なにこれマジ怖え!

  • 博物館の恐怖
    北極でカサカサになってた所を回収された「旧支配者」が、閉じ込められたり犬を食わされたり博物館に展示されたりする話。そりゃこれだけやりたい放題されたらフツー怒るっての!

  • 永劫より
    博物館で神官のミイラを展示してたら、ケースを壊して中を見た狂信者が石になったり死んだりしてたんだけど......臭いの? 臭かったの? 気絶するくらい臭かったの?(゚Д゚)

  • 墓地の恐怖
    とにかくつまらないの一言。

  • 山の木
    ヘンな木があった!!ヽ(`Д´)ノだからなんやねん!

  • すべての海が
    太陽が近づいてきて地球から海がなくなったので、人類は滅亡しました!という話! 何がいいたいねん!

  • 墓を暴く
    ゾンビパウダーを使って仮死状態から復活したら、その間に友達から改造人間にされてた!SATSUGAIしてやる! ......そんなノリ(笑)

  • アロンゾウ・タイパーの日記
    これも死ぬ直前まで日記を書き続けてるオッサンの話。そんな暇があったら逃げろよ。マジで。

  • エリュクスの壁のなかで
    透明の迷路に入ったら、外に出られなくなって死んだ(笑)

  • 夜の海
    あまりにも面白くなくて読み飛ばしたので覚えてない!ヽ(`Д´)ノ

うーん、やはり原典(ラブクラフトのペンによるもの)には遥かに及ばないというか、これじゃあデキの悪いアンソロジーみたいなもんじゃないか(;´Д`) H・ヒールドによる「石の男」~「永劫より」は骨のある作品だと思うので、マニアならギリギリ我慢できるかなーってとこでした!


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2008年10月26日 (日)

ラヴクラフト全集 別巻上

今になって思えば......うっかりラブクラフトに手を出したりしなければ、俺の人生ももっと華やかでチャラい感じになっていたんだろうと思うよ!ヽ(´ー`)ノ

ラヴクラフト全集 別巻上 (8) (創元推理文庫)
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ラブクラフト全集のトリを務める上下巻、まずは上巻です!
この上下巻はラブクラフトのペンによるものというよりは、彼が批評・添削・追記・代筆などを行った作品群が掲載されています。ですので、そのデキも実にピンキリという恐ろしいトラップなのですよ! あ、でも上巻はわりとクオリティ高い?

んじゃ解説!

  • 這い寄る混沌
    這い寄る混沌と言えばニャルラトテップ(Nyarlathotep)なのですが、別に登場しません。 どういうことやねん! しかも地球滅亡エンドとかちょっとウケます。

  • マーティン浜辺の恐怖
    今まで見たこともないような海の生き物を殺して展示してたら、その親分格が出てきて村全滅。ヒィー! 男たち vs 海の化け物の熱い綱引きには、全米が感動した。嘘。


  • 生き物にぶっかけると灰になる液体を教授にブチまけろ! 超駄作ヽ(´ー`)ノ 俺はぶっかけるなら違う液体がいいですね(何

  • 幽霊を喰らう者
    旅の途中で屋敷に泊めてもらったら幽霊が出た!でも突然現れた狼が幽霊を食べた! うん?(゚Д゚)駄作? 駄作なの?

  • 最愛の死者
    死体好き。 好き好き大好き超愛してる!で、死体にえっちな事してたらポリに追い回されたんで自殺した!えっちな事はいけないと思います。 駄作だよね?

  • 見えず、聞こえず、語れずとも
    目も耳も口も不自由なんだけど、タイプライターなら任せろ!な人が、イロイロされて今にも死にそうなのに淡々とタイプライターを打つという超絶技巧な話。 意味不明すぎるwww

  • 二本の黒い壜
    おじさんが死んだので田舎の教会に行ったら、なんでも墓地では死体が歩き回ってて...な話。 墓に刺さってる十字架がだんだん傾いていく緊張感ッ!

  • 最後の検査
    天才医師が病気の解明を急ぐあまり、人体実験を繰り返して破滅する話。 とりあえず最後は燃やしとけ!的なノリが全開の炎上エンド、これが笑えます。

  • イグの呪い
    夫がヘビを嫌いだから奥さんが気を使ってヘビを殺しちゃったんだけど、イグに呪われて最後はヘビみたいになったりする話。今回もっともクトゥルフ的であり、ストーリーのドライヴィング感も恐怖もMAXな傑作!

  • 電気処刑器
    電車の中で出会った人に、「自作の電気処刑器を試させてよ!ねえ、良いでしょ?聞いてんの?」と迫られるオソロシイ体験。絶対いやじゃー!

  • メドゥサの髪
    雨宿り先で、死してなお地下の墓の中から呪いを発し、絵や画家の体に髪を巻きつけてる女の話を聞くというストーリー。すごくラブクラフト臭がぷんぷんしてるので、きっと加筆の割合が大きいに違いありません。


  • 男の子が古代の鏡に閉じ込められちゃった!なんだこれ孔明の罠かー!?的な話。鏡の中と通信したりとかSF要素が強いですね。特に面白くはないですwww


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2008年10月25日 (土)

ウェディング・ドレス

第16回のメフィスト賞受賞作。

ウェディング・ドレス/黒田研二 (講談社文庫)
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しばらく読み進めれば「あ、叙述トリックや」と気付く、気付くのだけど、なかなかに真相に至れなくて手ごわかったです。

ん、まぁ、あれかな。 密室トリックはイマイチだし、ストーリー展開もあまり好きじゃないかな! でも終盤で一気に紐解かれる叙述トリックの内容と、回収される伏線の鮮やかさはなかなかのものだと思いました!

多分俺、メフィスト賞は根本的に肌に合わないんだと思うね!


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